雇用調整助成金の受給額について

 緊急事態宣言が解除されて元の生活に戻り始めるかと思いきや、まだまだ先は長いと実感している今日この頃ですが、みなさまにおかれましてはどのような日常をお過ごしでしょうか?

 

 今般のコロナ関係に関する国や自治体からの支援には、法人200万円の持続化給付金や、個人10万円の定額給付金、最大100万円の東京都の感染拡大防止協力金、東京都がテレワーク環境構築にかかる費用を250万円まで全額助成してくれるテレワーク助成金など、現在進行形を含め、たくさんの給付金や助成金があります。

 

 雇用調整助成金に目を向けますと、6月中旬に日額が8,330円から15,000円に改正されて、いよいよ出揃った感があります。経営者や労務担当の方々も満を持して支給申請するぞといったところでしょうか。

 待てば海路の日和あり、といいますか、資金に余裕がある方にとっては、待てば待つほど申請が簡素化され、助成額も増えるという、正にいいこと尽くめの内容となっています。

 

 とはいえ、すでに申請されている方も、日額8,330円を超えていた分については基本的に追加資料なしで助成額の上乗せがされるということで、国民に袋叩きにされながらも最終的には助成額については大盤振る舞い、という結果になりました(オンライン化は前途多難ですが)。

 

 今回のお話しは、これから初回の申請をする方は申請前に一度比較してみては?というものです。検討するポイントを簡単にまとめてみましたので、一度立ち止まって確認してみてはいかがでしょうか。

  ※申請書様式などリンクを張ったりしたいところですが、予告なくアップデートされるので掲載しません。

  ※平均賃金額が15,000円以上の場合は比較する必要がないと思います。

  ※教育訓練の内容等に関しては、労働局などにご確認下さい。

 

 ①休業手当を、平均賃金方式で算出したか、所定労働日数方式で算出したか?

 ・今回の措置(8,330円→15,000円)を受けての、休業手当の遡及増額支給が認められたということは…

 ・助成額に目が向きすぎて、従業員の不利益になっては本末転倒です。

 

 ②支給申請書を従来様式で作成するか、小規模事業者様式で作成するか?

 ・小規模事業者の助成額は「いずれか低い方」で計算します…

 

 ③従来様式の場合、助成額算定に労働保険確定保険料申告書を使うか、所得税徴収高計算書を使うか?

 ・所得税バージョンの場合は、役員報酬も算定に入れますが、賞与は入りませんので年俸制に適しているかも…

 ・労働保険料バージョンの場合は、(ア)初回の判定基礎期間が4月1日前後か(イ)今年度労働保険年度更新の申告は完了しているか

  により使用する年度が変わるかも… 

 

 ④所定労働日数をどのように選択するか?

 ・従来方式の他に、任意の1か月方式やあらかじめ定めた日数などを用いることができるため、分母が少ない方が…

 

 雇用調整助成金の簡易ガイドブックは、申請方法が大変分かり易く書いてあるのでかなり参考になりますが、厚生労働省の雇用調整助成金のページにある雇用調整助成金支給要領にはもっと細かい内容が記載されていますので、パソコンの検索機能を駆使しながら必要な情報を得てみるのもいいかもしれません。

 

 今回の比較による助成金への影響については責任を持ちませんので、必ず労働局など助成金関係各所や顧問社労士にご相談してお考え下さい。また、この件に関してのご質問は受け付けませんのでよろしくお願いします。

 

 以上、ご精読ありがとうございました。